小米(Xiaomi、シャオミイ)という中国の新興スマホブランドをご存知だろうか。創業5年で年商1兆円を稼ぐ勢いのベンチャー企業だ。小米のスマホ販売台数はここ数年で急激に伸びている。2014年4月~6月期の出荷台数は1293万台ととてつもなく多い。
小米のこの躍進ぶりはCEOの雷軍氏のカリスマ的人気も相まって東洋のAppleとも称されている。なぜここまで小米は成長できているのだろうか。
安い、なおかつ機能が充実している
小米のスマートフォンは安い。2014年10月現在において小米公式サイトで最も宣伝されているスマートフォンである小米手机4という端末価格を見てみると、容量16GBで1999元、容量64GBで2499元である。1元≒17円(2014年10月20日現在)なので16GBで37000円、64GBで42500円となる。
先月発売されたiPhone6の容量16GB版で約73000円、64GB版で約85000円なので半額で小米のスマートフォンは買えることになる。詳しいスペックまでは分からないが、iPhoneとAndroidの機能差がほとんどなくなっている今では通常の使い方でのスペック差はほとんどないと推測できる。iPhoneの半額で高いスペックのスマートフォンが持てるというのはコストパフォーマンスが非常に良い。
マーケティング手法が巧み
小米はAppleストアのような実店舗での販売は行っていない。そのため小米のスマートフォンを買うにはネットで予約することが必要となる。
これに加えて小米はSNSを通じてスマートフォンの販売の告知を行い、しかも台数限定で販売するため消費者の「買わなきゃ」という気持ちを煽っている。このようなマーケティングを消費者を小米に熱狂的にさせるに丁度良い頻度で行うため爆発的にスマートフォンの販売台数を伸ばしたそうだ。
日本が小米から学ぶべきこと
日本が小米から学ぶべきことは2つある。
消費者が必要と思う機能に絞ること
1つは機能と価格のバランス感だ。日本のメーカーが製造する製品はどれも機能においても品質においてもクオリティが高い。そのため、必然的に定価は高くなってしまう。
Appleのように高級戦略が採れれば多少価格が高くても安定的に売れるが、日本のメーカーに高級戦略を採って成功している企業はほとんどない。それゆえに定価からある程度下げた価格で売らざるを得ないが、それでも定価の高さのために販売価格も総じて高止まりしている。海外製品と並べられているとその価格差はよくわかる。
では、価格を下げるためにはどうするか、機能を削るしかない。ただ削ると言っても消費者が不要と思っている機能やほとんど使っている人がいない機能を削る必要がある。
ジェネリック家電の売れ行きを見ていると機能を必要最小限に絞っても売れることは間違いない。小米はAppleと同じファブレス業態であるが、端末価格の安さとユーザーのニーズを的確にとらえた機能を売りにして中国国内でのシェアを急激に伸ばしている。日本が学ばなければならないのはこの価格と機能充実度のバランス感だ。
邪道マーケティングも積極的に採用すること
もう1つの学ぶべきことは邪道とされるマーケティングも積極的に採用していくことだ。小米は前述のように実店舗でお客さんに売るという王道スタイルを採用せず、限定販売や告知頻度を巧みに利用してマーケティングに成功している。いわば邪道マーケティングで成功している。
しかし、日本で王道から外れたマーケティングが採用されることは極めてまれだ。小米がベンチャー企業だから邪道マーケティングを採用できたというわけでは決してない。柔軟に王道から外したマーケティングをしていくこともグローバル市場で戦うには絶対に必要だ。
家電量販店に行けば、日本でも海外ブランドのスマホやパソコンを当たり前のように見かける。当然のことながら海外ブランドの製品は安い。この状況でメイドインジャパンの信頼を掲げて海外ブランドと同じ土俵で戦うのはもう無理がある。消費者はすでにメイドインジャパンと海外ブランドの差がないことに気付いている。
日本がグローバル市場でうまく戦って勝っていけるかはこの2点を改善できるかにかかっていると言っても過言ではない。価格と質のバランス感覚と型にとらわれない販売戦略がカギになるはずだ。
The color of the sky 染まるの疲れ あなたの侧から脱出 バブルの時 最も美しい彼を探して 美しく見える メモには愛 素敵な笑顔